熊野千鳥園の花や、園芸作業等を掲載しています。
今日は今年咲いた五月雨タイプをアップしたいと思います。
この花は点が変わっているなと思い選別していた所、仮面騎士タイプだと教えて頂きました。
この花の交配は、今年の日本イワチドリ愛好会の会誌でも紹介した交配なのですが、ピンク紅一点花の五月雨タイプを狙った交配から出た花になります。
このタイプの花以外にも、通常の五月雨タイプや、少し点が大きい五月雨タイプ、ベタ系なものや狙い通りのピンクタイプが出ました。
ただ狙っていたピンクタイプはまだ木がしっかりしていない為、花がしっかり開かなかったり点の色も薄かったりとまだ改良の点がありそうです。
それでもひとつの交配でバリエーションが豊富な花が咲いてくれるのは面白い交配だったと思います。
今日は古い花ですが、父の作出した銘品のひとつ【紅紀宝】を紹介したいと思います。
父が作出した最初の大輪紅一点花で、当園の大輪紅一点花系の大半がこの花の血を引いていると考えても良いほどの品種で、当園の交配にっとては大功労品種になります。
紅紀宝の親は、【大仁王】×【武蔵坊】の中から選別した大輪で反りの少ない【関羽】という大輪斑紋花を母体にして、【深紅】×【星の輝き】のF1紅一点の花粉を使い交配したものです。
紅紀宝は、大紅点で受け咲き気味に咲き、花弁が反らず、薄いながらも霧点がつく事が特徴の花です。
この品種を輩出した交配は、とても大輪紅一点花の出現率が悪かったと聞いていて、多数の苗があったにもかかわらず、紅紀宝の他に仮名【黒揚羽】と斑紋花で登録品種の【藤霧】の3つのみだったそうです。
大旭日や一目惚れ、酔白斑紋花や、純白紅一点花などで見られる、当園の花の特徴のひとつである、大紅点に咲く花は全てこの【紅紀宝】を起源に発展させた花になります。
今となっては、【紅紀宝】は特別な芸とは言えませんが、父が大切にしていた品種のひとつなので、今日はブログで紹介させて頂きました。
また、ブログも更新して行きたいと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。